小光子の心

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<<   作成日時 : 2012/09/10 17:42   >>

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9月7日(土)釣りの疲れを癒すため、「小光子の心」なる釣り日記を書いていた時だった。

カミサン:「パパア〜ん・・・・」ときた!

     これがくると、アヤシイ。

カミサン:「西芳寺(苔寺)の奥にきれいな流れや、滝なんかあるとこって、知って     る?」
     誰かに聞いてきたのである。

小光子:「知ってるもなにも、そのへんァ〜、ガキの頃のちょっとした遊び場、てえ     ところだ」
    「ところで、それがどした。その歳でそんなところで逢引きということもある     めいし」

カミサン:「また来年、子供達がきたら連れて行ってあげたいし、パパ、ヒマだったら、どんなところか見ときたいしイ、行かへん?」

小光子:「なんだべ、カアちゃん。そんなことなら早くいってくれろ!。さあ、さあ、いぐだべ・・」

     (西芳寺(苔寺)はここ向日市から10k弱、狭い道を車で走って30分といった苔生す古刹だ。
     小光子は50年以上も前、京都市は右京区桂西口駅近くに住んでいた。そこからこの古刹にも10k弱といったところだ)


小光子:「近頃のガキャア〜とくりゃ、ちょっと歩くとダルイのなんのと4の5、抜かしあがって、己の足で歩こうとしねえ。俺達のこりゃ〜、あの辺なら、ちょいとひとっぱしり、と言ったところだあな」

    なに人だかわからないが、小光子の言葉は、話す度に毛色が違う。

まあまあ、この歳になって、「ひとっぱしり」ともいかないので、さっそく車で行った小光子達。

西芳寺は苔寺とも言う。南側を山の斜面に遮られて昼前というのに薄暗い。昔は誰でも拝観できる無料の古刹であったが、今は美しい緑の絨毯のような庭を守る為か、簡単には入れない。
その苔寺を過ぎて、谷の流れの横にある、やはり薄暗い空き地に車を駐車した。

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これはシメジであろうか・・・・?

これから、子供の遊び場所を探しながら、夏の涼を楽しむという寸法だ。

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そうだな。小光子は思いもつかなったが、こんなところで孫を遊ばそうとは。

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この日も土曜日、家族連れのグループが、歓声をあげて水遊びをしていた。

谷水は堰にさえぎられて落ち、、緩やかな流れとなって一休みする。

親子が、その落ちたところで釣りをしていた。

カミサン:「なんか釣れましたァ〜?」
      流石に釣り師の妻である。いつも釣りをしているヒトに出会うと、どんな釣りでも調査をする。

お父さんは、うれしそうに釣れた魚を持って来て、「これ、なんていう魚でしょうね?」と、反対に聞き返された。
それは小光子に任せなさい。見ると、この環境で定番の「カワムツ」である。
「から揚げにしたら、食べられますよ!」と言ってあげたら、俄然、釣る気が出たようだった。

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辺りは徐々にヒンヤリとしてきて、なだらかな傾斜の道を歩いていても、汗ばみもしない。
ところどころに小さな流れが傾斜面から落ちてきて、この谷に注ぎ込んでいる景色が、なお涼しさを感じさせてくれる。
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車を止めてから、かなり歩いた。
この辺で、カミサンはUターンして帰ろうと思っているだろうが、小光子はなお足を速めるように、どんどん登っていく。

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彼女は何も言わずに、後ろからついてくるところをみると、もうすでに小光子が何をしたいのかを解っているようだ。

もう50年以上も前の、楽しかった小光子の遊びの話を、過去にしたことがある。
少年の日の小光子は、苔寺の奥の山に、ハンマーとノミ、ローソクをもって走ったことが数回ある。
今、その思い出の場所を探しているということを・・・・・・・。

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しかし、歩けど、歩けど、その場所は見つからない。
土地勘の悪さを自覚している小光子は、すでに50年以上も前のこと、徐々に自分の記憶が心もとなくなってきて、立ち止まった。

カミサンが追いついてきた。

カミサン:「あそこをさがしてるんでしょ?」
小光子:「ふふふ、そうなんや。この鬱蒼とした景色が明るくなって、左斜面に岩盤が崩れたようにゴロゴロとした場所がある筈なんやけどなア・・・・・・」、「かなり歩いたけど、こんな奥やったかなぁ。もうちょっと行ってみよか・・」

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そしてまた、どんどんとかなり歩いた。しかし、どうも景色が違う。
また小光子の迷惑な記憶違いとカミサンは思っているに違いない。
仕方なく、諦めなければならないような気がする・・・・・・・。

「思い違いなのかなァ。この辺で帰ったほうがいいかな!」

ということで、下山を始めてすぐのことだった。

下から、小光子よりも少し年上にみえる男性が、健康のための散歩だろうか、早足であがってきた。

カミサン:「こんにちは。この道、どこへ行けるんですか・・・?」

年寄りでも、女は得だ。突然、声をかけても誰も、警戒したりはしない。
これが、マックロで人相の悪い小光子なら、しかも、この環境で相手が女性でもあったなら、「キャア〜」と言って逃げられること間違いなし。男性でも「触らぬ鬼(カミ)に祟りなし」と無視されることだろう。

男性:「ずーっと行ったら、保津川に抜けるわ。」
カミサン:「保津川まで行かはるんですか?」
男性:「いや散歩やさかい、ちょっと行ったら、引き返す」

ここで、小光子。
「この辺のヒトですよね。知ったはァったら、教えてくれはりませんか?」

男性は怪訝な顔をしていたが、小光子はすかさず。

「50年以上も前のことやさかい、記憶が曖昧なんですが、この辺に(水晶山)って、あったん、知らはりませんか?」
男性は、一瞬、躊躇しながらも、「ああ、知ってるよ!」

小光子:「子供の頃、ノミとハンマーを持って、よく採りに来たことがあって、懐かしくて記憶をたどって来たんです」
男性:「ああ、そうか。そんなら、もうちょっと行ったところや!」
小光子:「もうちょっとって、どれぐらいですか?5分or10分くらい?」
男性:「そやな。そんなもんや」
小光子:「「そやったら、もう一回登りますから、ついて行っていいですか?教えてくりゃはりますか?」

といって、またUターンして登り始めたのである。
一緒に上る道すがら、当時の地元の友人の消息を聞いたり、「水晶山」の話を聞いたりで、楽しい時間をすごしたのである。

場所は小光子の記憶に間違いは無かった。
しかし、それから植林をされたり、少し道が変わったりしたということで、まったく当時の面影がない。
男性曰く、「その昔、この辺りはマンガンの採掘場所やった。それを堀り終わったあとやから、岩がゴロゴロとしていて、洞窟のようになっているところもあった。たしかに水晶もあったので、採りに来ている人が居たわ」

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当時の面影はないものの、そういわれると画像の、茂っている樹木を取り去ると、材木が置いてある辺りから、50年あまり前に、息を弾ませて、小光子が入っていった地形が伺える・・・。

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当時、小学生の最高学年だっただろう。
お金の値打ちなど、まだよくわからない少年であったから、水晶は「スゴイ宝石」と、思っていたのだろう。

そして、誠に危ないことだが、洞窟に火をともさなければ、方解石や水晶が見えない。
だからローソクを持っていったのだが、何故か火は簡単に消えるのだ。そんなガスが出ていたのだろうか・・・・・・?
引火する方のガスでなかってよかった、と反省している。

それらがあるところに闇雲にタガネをあてて、ハンマーを振る。
少年の力ながら、ボロボロと落ちてきた小さな水晶や方解石は、十分に小光子の宝物となったのだ・・・・。
宝石には素の人間を惹きつける力があるに違いない。

そして、また下山の途中で出会った人に、「水晶山」の話をすると、その人(小光子よりも歳上)も知っていた。
しかし、本当にたくさんの水晶が採掘できた場所は、小光子が数度通った場所ではなく、少し北の丘の上だったという。
まあ、つまり、その辺りは、たくさんの水晶が存在していた場所であった、ということである。

遠い昔の、踊る記憶に、心が生き返ったような小光子であった。

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孫の遊び場を探しに行った小光子達であったが、タイムカプセルを明けた思いで、我が家に帰ったのであった。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
♪こんにちは。
ここは 10年以上前に 保津川まで歩きましたが、
なんか、こちらも 思い出しましたね。
水晶を取りに行ったことを・・・。
しかしよく覚えてますなあ。
奥さんと一緒に ご立派。
最近は 山の神と一緒に山歩きはないような・・・、
今月末 0歳 初孫が帰ってくるので・・・水族館への予定です。
EGA
2012/09/12 10:48
小光子さんのご幼少の頃もオラのガキの頃と似たような事して遊んでたんですね

それにしても、いつまでも仲良くて・・・
羨ますぃ
散ちゃん
2012/09/12 18:20
Egaさん、貴方も水晶山へ行った事があるということですか?
それは「驚き!」だ。
人間の記憶ってスバラシイですね。
しかし、小光子はどうして昨日あったことを覚えていないことが多いのでしょうかね・・・・
小光子
2012/09/13 09:47
ふふふ、この記事にコメントが入るとは思っていませんでした。
散平さんも、やはり似たような遊びを・・。
ということは、遊び方が少なかったからなのでしょうか?
しかし、今の子なら、50年以上の前のどんな遊びを、どのように記憶することでしょうね・・・・・?
小光子
2012/09/13 10:00
水晶山で、水晶の思い出を探しながら、のんびり釣りも良さそうですね。モンスターはいないでしょうが
採掘した水晶はどこに行きましたか?
シュンメ
2012/09/14 11:02
シュンメさん。
消えたローソクの光の残像を残しながら、ガリガリと闇雲にやっても、小さな水晶の塊は採れました。
石は風化するといえども、宝石はそう簡単に消え去るものでは無いように思います。
しかし、50年以上の月日は、少年の日の宝物でも、心に思い出を残すだけで、その物質的な存在を残すことはできません。
小光子
2012/09/14 21:26

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