小光子の心

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zoom RSS 追憶・・・・一本足のテニスマン

<<   作成日時 : 2011/08/27 19:49   >>

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久しぶりに釣りに行こうと思ったら、ご丁寧に2つもの台風が太平洋上に出現し、「魚眼」でにらむように日本に接近してきています。特に休みをためて、この機会に当てていたサコドンには、なんとも気の毒なことになりました。

そんな頃、小光子がよく彷徨っている地磯の辺りを綴った「チヌ釣り太平記」なるヒョウキンな本を、たまたま見つけたので、彼ならヒマ潰しに「軽く」読めると思って自宅へ送付しました。
そのお返しにでしょうね。「弱くある自由へ」(立石慎也)という本を、その太平記と一緒に送り返してきました。
彼は、社会学修士・日本心理学会所属だからでしょうか、その本は社会学の専門書のような、小光子にとっては冗談のように「重い」本だったのです。

あまり種類をわかたない雑読派の小光子なので、ヒマにまかせて、できればこの月末に彼に会ったら返そうと、やる気無くも、他の本と交互に読み始めてはいたのですが・・・・・。
社会学的色彩の本など、初めて読んでみて、「なんとまあ面倒な学問をしているモンだ」と敬意を表するともに、良く効く睡眠薬にもなってしまったのです。
この台風で自動的に返却時期が遠のいたようなので、もう少し、ゆっくり睡眠薬を使うことができそうです。

この本では「自由」「自己決定」がテーマにされている・・・・・。

読書半ばであるが、こんな本を読んでいたからでしょうか、小光子がこのウエブログの前に使用していたdionブログの記事を思い出しました。勿論、社会学者と違って限りなく平易な内容であるのですが、小光子社会学思考として、このブログに転記しておくことにしました。

実は、これも、たまたまなのですが、この小光子の記事をテニス仲間のEgaさんが、彼のホームページに残していてくれたので、ここに再現することができたのです。Egaさんアリガトウ!ブログ初心者だった小光子は残していませんでした。

以下、小光子がテニスにてフクラハギの筋肉を断裂し、静養していた2007年の春に1990年の頃のことを思い出して書いた記事です。

ギブスに松葉杖の生活は今日で一週間あまりになります。
小光子は暇にまかせて、燦燦と陽の光が降り注ぐ、かなり昔のある日の事を思い出しました。
親しい友人に誘われて、さる銀行のコートにテニスを楽しみに行ったことがあります。

友人は身障者のためのボランテイアをやっていて、身障者テニスマンをコートに連れてきました。
普通、現在の小光子のような松葉杖の初心者は、片方の足の怪我なのに左右2本の松葉杖を使います。しかし、2本の松葉杖では、殆んど手を使えない事がこの一週間でわかりました。
そこで思い出したのです。彼は一本の松葉杖で片手にラケットという出で立ちだったことを。
今から考えると、一本足を長く続けている身障者テニスマンはその不自由さを、松葉杖を一本にすることで克服したのでしょう。以下は其の時の事の回想です。

テニスを始めました。大抵のテニス愛好者がやるように、初めは皆で軽くストロークをします。
彼は一本足でありながらも、逞しい身体を持ち、ラケットワークもすばらしいのです。10球程打てば、小光子達とテニスを楽しめる事が容易にわかりました。

ゲームが始まりました。もちろんダブルスゲームです。みんな彼に向かっては優しく打ちます。
画像

勿論、彼の技術ではそんなボールは容易に返えせます。それから皆は彼が取れる範囲に、しっかりと打つようになりました。しかし、それを返されて負ける事が続くと、ダブルスゲームでは、うまい方の相手にボールを置かないという一般的な事ではなく、徐々に彼に向かってはボールを打たなくなったのです。あまりかかわりたくたくなかったのでしょうか・・・・。
その辺で昼になり、みんなでワイワイと楽しく食事をしました。
と、その時、昼からのテニスではシングルスもやろうと、彼が言い出しました。ということで、長い昼食をしながら、交代でシングルスがはじまりました。
しかし、彼と当った人は、小光子よりも上手なテニスマンも含めて、彼に負けました。

「やあ〜、マイッタ。マイッタ。すごいね!」と言って彼を称えます。

みんな上品なのです。身障者用に打っているのです。そして身障者のテニスマンはシングルスに勝って、優しい微笑みをたたえ、握手をしていました。

次に小光子の番がきました。優しく打たなくても、彼のボールは小光子のボールよりも強くなって帰ってきました。逆サイドに打っても、少し甘ければ強靭な一本足と一本の松葉杖を巧に使って最小限に動き、かなりの確率で拾います。何よりもミスショットが無いのです。
そこで、小光子はボレープレーに転じました。そして、ドロップショットを可能な限り使いました。彼はそのドロップショットも甘いものは何回かダッシュして拾いあげたのですが、辛うじて、小光子はそのゲームに勝つことができました・。

しかし、ゲームを見ていた仲間達に小光子は、「ゴウゴウ」とした非難の嵐を浴びせられました。
最初は冗談のようでしたが、徐々に感情的な人もいました。

「大人気ない!」「勝負に固執しすぎ」「ドロップショットなんて、汚い!」などです。

しかし、小光子はいまでも、覚えています。遠い昔の、彼とのゲーム後の硬い握手の感触を。
彼が今までに無い晴れやかで嬉しそうな顔をしていた事も・・・・・。
それから彼とは、とても心が接近したような気がしました。

上品で常識のある人達、確かにその中には彼に勝てる実力のある人も何人かは居たと思います。しかし、彼が身障者であるという先入観や、自己愛的な心情から、同じテニスという土俵でプレーをしていなかった。

「やさしい人間でありたい」、あるいは転じて、「剥きになって勝ったら、恥ずかしい」という「自分だけに向いている感情」、そういうナルシズムが「一本足のテニスマン」に失望感を与えたのではないか、と思います。
勿論、それは極めて善良な愛すべき人たちに多いところなのですね。

(こういうところが、冒頭の睡眠薬代わりになる社会学で、研究されているのだな〜っと思った小光子です)

大変な努力で鍛えた一本足と松葉杖の技術を発揮できないで、「負けました!」っと、言ってもらっても、彼にとっては決して嬉しくは無かったのでしょう。

良く考えてみれば、世間には足が一本という外見的な障害を持たなくても、内面的な大きな障害を持つ人もたくさんいるでしょうし、もっと広く考えれば、「障害の無い人間」というものをみんなオボロゲながら規定しているだけで、大変曖昧な規定であることに気がつきます。
規定を変えて見れば私も含めてみんな障害者なのかもわかりません。

マイッタナ!まだ2/3しか読んでいません・・・・・

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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
ここにも、小光子さんの精神が見えますね〜。相手が老若男女関わらず手抜きしない(笑)
スポーツの中にも、思想ありですね。
シュンメ
2011/08/29 09:19
「障害文化」とは「健常者文化」なのです。つまり、健常者の立場から障害者の社会生活が語られているのです。ノーマライゼーションという言葉がありますが、障害者も健常者も分け隔てなく地域社会で共存しましょうということですが、そう思っているのは健常者だけであり、すでに自立した一人の人間である障害者は、一方的な支援を求めていないと思います。バリアフリーについてもそうですが、障害者の立場から「どこが使いにくい・・・」という声を反映したとは思えません。一本足テニスマンは、スポーツを通して一人の人間として対戦したかったのではないでしょうか。
さこドン
2011/08/29 09:46
シュンメさん、おひさしぶり!
好調のようですね。
「頑張らないでいい、ゆっくりと・・」などと、言うのが流行のようですが、「シュンメさん」ですから、やはりやるだけやって、そして考える、というタイプですかね・・・・!?
 ハハハハ、「手抜き」をするつもりはなくても、「気が抜けている」「気合が入らない」、「どうしてもシャキッ」としない、ことは最近よくあります。加齢故かな?
小光子
2011/08/30 19:27
サコドンさん、久々の登場ですね。
社会学テーマだからでしょうか・・・・。
しかし、立石慎也さんよりもこの記事の方が庶民的な社会学でしょ?
まだ懲りずに睡眠薬かわりに読んでいますが、もう社会学とはオサラバしたい小光子です。
次は、楽しい釣りの本でもプレゼント下さい。
しかし、貴方はまだこれから・・・・。
お返しに、サムエルソンの「金融論」でも進呈しましょうか・・・・・?
たぶん、サコドンだったら睡眠薬どころか、永眠薬に・・・・・・・(笑)
小光子
2011/08/30 20:34
お金の流れは、悪いことが多いので読まないことにします。それにしても、立岩真也はかわいそうですね。ところで何か釣れましたか?哀しみ本線日本海では?
さこドン
2011/08/31 09:17
ご無沙汰しています。

仕事柄、身障者と関わる機会が多いですが、対応については難しいところですよね。因みに自分なら相手が誰であれワザと負けられると嫌なので、真剣勝負をする派です。真剣に取り組んでいる方々には仕組まれた勝利は差別(区別?)を感じさせるだけかもしれませんね。
カンナ
2011/09/04 22:34
小光子さん(*′σ∀`)p[☆。・:+*こんばんゎ*:+:・゚☆]

台風で南風館は大丈夫だったのでしょうか?
心配しております。
お手伝い必要な時は連絡ください。
クロ菊
2011/09/05 21:05
クロ菊さん、ありがとうございます。
まあ、南風館は丘の上なので水害は無いと思いますが、「土砂崩れ」、「風害」はあるかも知れませんね。
でも、どなたかにご迷惑はないでしょうから、次に行く日まで楽しみにしておきます。
しかし、自然の力には、人間など微力なものですね・・・・!
小光子
2011/09/05 22:01
カンナさんこんにちは!
要介護5で、かつ重度障害者の母を長い間看ていますから、「自己決定」なんていう難儀なテーマの専門書でも、そこそこ読めますが、本来専門書は要素が重要であって、文学書でも無い限り、文章の美しさや、内容の楽しさを意識して書かれていませんので、その分野の学問に携わってない人には、誠につまらないものです。
カンナさんのように、その分野で仕事をし、活躍している人には、この「自己決定」は重要課題なんでしょうね・・・
小光子
2011/09/05 22:08

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